毛抜きを使用したムダ毛やヒゲの処理は、手間はかかるものの、毛根ごと引き抜くことで次の毛が生えるまで猶予が生まれるため、一見は合理的に思えます。しかし医療的な観点から見ると、毛抜きを使用した脱毛は肌トラブルの元となるため推奨されていません。
また医療レーザー脱毛や光脱毛の期間中の自己処理方法としても、毛抜きによる処理はNGとされています。
この記事では、そんな「毛抜きによる脱毛」が肌に与える影響と、美容皮膚科が推奨する自己処理の方法について解説します。
毛抜きで脱毛を繰り返すことで起こりうる、肌トラブルについて解説していきます。
埋没毛とは、毛が毛穴からうまく出られず、毛先が皮膚の下に埋め込まれてしまった状態のことです。
毛抜きで毛根ごと毛を抜いてムダ毛を処理すると、毛根が引っ張られることで毛穴またはその周辺の皮膚組織が傷つき、それを修復しようと角質が厚くなって毛穴に蓋をしてしまうことがあります。
そこに皮下から伸びてきた毛が毛穴から正常に出て来られなくなり、肌の下で折り返したり、曲がったりしてしまって埋没毛となってしまいます。特にワキやVIOなど太く硬い毛が生えている箇所で発生しやすい症状です。
これは見た目の美しさを損ねるだけでなく、時に痛みやかゆみなどのトラブルにつながる恐れがあるため、自己脱毛を行う際には特に注意が必要です。
埋没毛ができてしまった時は自然に生えてくるまで様子を見ましょう。無理やりこじ開けると皮膚が傷つき炎症を起こして色素沈着になる可能性があります。
どうしても痛みなどが気になる場合は皮膚科に行って処置してもらいましょう。
毛抜きで無理に毛を引き抜くと、毛穴周辺の皮膚が傷つく原因となり、赤みやブツブツなどの肌トラブルを引き起こします。さらにそこに菌が入り込んで「毛嚢炎(毛包炎)」という炎症状態になり、酷い場合は膿などが発生してしまうことがあります。
これらは見た目の問題だけでなく、痛みやかゆみも生じ、日常生活に支障が出ることがあります。
前述の通り、毛抜きによる脱毛は、手間がかかるだけでなく、肌トラブルを誘発しやすい脱毛方法のため、推奨されていません。
それでも毛のないツルツルな肌を手に入れたいのであれば、医療脱毛を完了してしまうのがおすすめです。
医療脱毛の魅力は、半永久的に自己処理の負担から解放されることです。
医療脱毛は、レーザーによる熱で毛根にある毛を作り出す機能ごと破壊する術式です。そのため、一度脱毛が完了した箇所からは、ムダ毛が生えてくることはありません。
肌トラブルの可能性を抱えながら毛抜きで処理するよりも、医療脱毛で永久的にツルスベな肌を手に入れませんか?
毛抜きでのムダ毛処理が推奨されない理由は先述の通りです。そこで医療脱毛による永久脱毛や光脱毛による減毛を完了させ、毛抜きでムダ毛処理をせずともツルツル肌を持続できるようにするのも一つです。
しかし、クリニックで受けられるレーザー脱毛や、サロンで受けられる光脱毛は、レーザーや光の照射がしっかり毛根に届くように施術日までにムダ毛を処理しておく必要があります。
その脱毛施術のための事前処理においても、毛抜きによる処理はNGとされています。
その理由について解説していきます。
レーザー脱毛は、毛に含まれるメラニン色素に光が反応し、その熱で毛を作り出す昨日を破壊することで毛の再生能力を弱める仕組みです。しかし、毛抜きで毛を根元から抜いてしまうと、レーザーが照射する標的を失い、反応が悪くなる問題が生じます。
そのため、レーザー脱毛や光脱毛の前のムダ毛処理は、毛根は肌表面近くに残しておく必要があります。電気シェーバーやカミソリで、表面に出ている毛だけをシェービングする処理にとどめましょう。
すべての毛は、毛が成長する「成長期」、毛の成長が止まって抜けやすくなる「退行期」、毛が抜け落ちて次の毛が成長を始めるまでの「休止期」という、3つのサイクルを繰り返しています。
このサイクルを「毛周期」と呼びます。
脱毛レーザーや光が反応して効果があるのはこのうち、メラニンが豊富に含まれる「成長期」の毛だけになります。
しかし成長期にあたる毛は全体の20%と言われており、そのため、同じ箇所であっても何度か繰り返し照射する必要があります。
もし毛抜きで毛根ごと抜いてしまった毛が成長期の毛だった場合、その回の施術でレーザーの照射をすることができず、次の成長期が訪れて照射されるまで脱毛効果を得ることができません。
これにより、脱毛が完了して生えてこなくなるまで、照射回数が大幅に増えてしまうリスクがあります。
ワックス脱毛(ブラジリアンワックス脱毛)とは、欧米諸国で主流のムダ毛処理方法で、粘着性のあるワックスをムダ毛が気になる部分に塗布して、毛根ごと一気にムダ毛を引き抜く脱毛です。
また、除毛クリームは、チオグリコール酸塩を主な成分とするクリームを塗布して体毛のタンパク質を溶かすことで、クリームを拭き取ると同時に除毛ができるムダ毛除去方法です。
これらの自己処理は、毛抜きのように一本一本抜かずとも一気に広範囲のムダ毛が処理できるため、人気の処理方法です。
しかし前述の理由の通り、毛根ごとムダ毛を抜いてしまったり溶かしてしまうと、レーザーがうまく反応しなかったり、毛周期と照射時期がズレてしまったりと、脱毛効果に悪影響になります。
そのため、脱毛施術前の自己処理では、毛抜きでの脱毛と同様、ワックス脱毛・除毛クリームは控えましょう。
それでは、毛抜きを使わずに脱毛施術の前のムダ毛の処理はどのようにしたらいいでしょうか。
レーザー脱毛や光脱毛の効果が最大限引き出せる自己処理方法について解説していきます。
肌への負担を最小限に抑えたい方には、電気シェーバーによるムダ毛処理をおすすめします。電気シェーバーは肌表面でムダ毛を刈り取るため、毛根はそのまま残り、メラニンに反応するレーザーや光の照射をしっかり行うことができます。
その上電気シェーバーは刃が丸くなっており肌への負担が少なく、カミソリ負けを防ぎながらムダ毛処理ができます。背中やうなじなど、誤って肌を傷つけてしまうおそれがある部位も電気シェーバーであれば安全です。
自分で処理するのが特に難しいVIOも、安全カバーがつけられるタイプのものを選べば安心です。
電気シェーバーが手元になかったり、手早くムダ毛処理を済ませたいときは、カミソリ(T字カミソリ)を使うこともあるかと思います。
しかしカミソリは直接肌に刃を当てて剃毛するため、肌のバリア機能を担う角質を削ってしまったり、肌を傷つけてしまったりしないように注意する必要があります。
シェービングの際は専用のシェービングフォームやソープを充分に使って保湿をし、滑りをよくすることが大切です。また、ホットタオルを肌に当てたり、浴槽に浸かったりして肌を柔らかくしておくのもよいでしょう。
剃る方向は、毛流れに逆らって剃ると肌を傷つけやすくなるため、必ず毛の流れに沿って剃るようにしましょう。肌に刃を押し付けず、優しく剃るのもポイントです。
また、脱毛後の保湿は必須です。カミソリで削られた肌は乾燥して敏感になっており、保湿クリームやローションをしっかり塗ることで肌のバリア機能を支えます。そうすることでカミソリ負けによる赤みや刺激を防ぎ、肌トラブルを抑えることができます。
しっかりお肌の保湿を行っておくことで、レーザーの照射の際に生じる痛みも和らげることができます。
フェミークリニックの公式YouTubeチャンネルでは、脱毛施術に向けたムダ毛の自己処理方法について、お肌のスペシャリストであるカウンセラーと看護師による解説動画をあげています。
医療脱毛の効果を最大限に発揮する、安全な剃毛方法についてわかりやすく伝わるように実演も行っているので、ぜひ一度ご覧いただければと思います。
レーザー脱毛の施術を終えると、数日後から照射された部分のムダ毛がぽろぽろ抜けるようになってきます。抜けるようになるのはレーザーがきちんと効いて毛根にしっかりダメージが入った証拠でもあり、引っ張るとスルスルと抜けるためつい気になって抜きたくなってしまうかと思います。
しかし施術後の毛も毛抜きで引き抜くのはおすすめしません。
なぜなら、見た目からはそれが成長期に照射された毛なのか、次の施術で照射されるべき毛なのか判別がつかないためです。
もし引っ張った毛が次の照射を待つ毛だった場合、前述の通り、毛周期が狂ってしまう可能性があります。また、毛穴周辺の肌組織が傷ついてしまうリスクもあります。
ムダ毛が抜けてくるのが気になりますが、自分で引っ張るのはぐっとこらえて、自然に抜け落ちるのを待ちましょう。シェービングを行うのは大丈夫です。
医療脱毛で永久脱毛を完了させてしまえば、もう毛抜きの脱毛は不要になります。
20周年を迎えたフェミークリニックは、これまで40万件以上の医療脱毛を行い、ムダ毛のお悩みを解決してきました。
フェミークリニックの医療脱毛は、効果の高い「ショット式」のレーザーを使用し、徹底した打ち漏れ対策・毛周期に併せた施術によって短期間での脱毛完了を実現します。
痛みやプライバシーへの配慮も万全なため、多くの患者様からご支持いただいております。
少しでも気になる方は、ぜひ一度無料カウンセリングにお越しいただき、疑問点や不安な点についてご質問ください。
経験豊富な医師やスタッフが丁寧に回答させていただきます。
毛抜きでの脱毛について、よくいただくご質問をまとめました。
このページの監修医師
フェミークリニック総院長北山 英美子
東邦大学医学部を卒業後、東邦大学形成外科に入局。経験を積んだのち、渋谷フェミークリニックを開院。2006年よりフェミークリニック全7院の総院長を務める。
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